多摩川ツバメ集団ねぐら

東京西部を流れる多摩川の、日野市と昭島市を結ぶ多摩大橋下流のヨシ原にツバメの集団ねぐらがあります。ねぐらに集まるツバメの数は7月下旬から8月上旬にピークになり、2023年は約2万羽がねぐら入りしたと推定しています。しかし、ツバメが利用するヨシ原はわずかな面積しか残されておらず、さらにクズやアレチウリに覆われつつあるため、ねぐらの存続は危機的な状況にあると考えられます。私たちはツバメ集団ねぐらを守りたいと考え、現状把握のために個体数カウントやヨシ原の植生調査を始めています。

上流から見た多摩大橋。ツバメは橋の下流数百メートルにあるヨシ原で夜を過ごす。

すでにツバメはいな時期ですが、2013年10月28日と11月3日にツバメがねぐら入りするあたりをドローンで空撮しました。ヨシ原は稼働から近い部分に河道から近い部分にあると思われますが、撮影できた範囲のほとんどがクズやアレチウリで覆われていて、正確な範囲は分かりませんでした。ツバメがねぐら入りする8月上旬は、まだツル草類がここまで成長しておらずにツバメがヨシにとまれる場所があったのだろうと思いますが、特にクズの勢いが年々強まっているように思われます。来年は早い時期からドローンで撮影して、ヨシ原の位置と面積を正確に把握したいと考えています。

ヨシ・オギの草原を覆っていくクズやアレチウリ。

河川敷の通路沿いもクズが繁茂している。