日本で普通に見られるツバメの仲間には、ツバメ、コシアカツバメ、イワツバメ、リュウキュウツバメ、ショウドウツバメの5種類。それからアマツバメの仲間のヒメアマツバメが、イワツバメやコシアカツバメの巣を利用しているのがよく見られます。
夏鳥として北海道から九州の種子島ぐらいまでの地域にやって来る、日本では最も普通に見られるツバメの仲間です。町の中や周辺の農耕地、河川敷などにすみ、人家や店など人間が造った建造物に巣を作ります。巣は、おわん型をしています。
暖かい東南アジアで越冬したツバメは、春になると数千kmの旅をして日本にやってきます。
3~8月にかけて子育てをします。オスとメスは共同で巣作りにはげみ、そしてメスは卵を産んで温めます。1シーズンに2~3回繁殖します。
ヒナがかえると、親鳥はさかんにエサの昆虫を運んできます。やがて成長したヒナは飛べるようになり、親元を離れていきます。
夏の終わりにはヨシ原などに集団ねぐらを作るようになります。そして秋には、親鳥もその年に生まれた若鳥も、越冬のために東南アジアへ渡っていきます。
夏鳥として、北海道から九州にかけてやって来るツバメの仲間です。名前のとおり、腰の部分が赤いのが特徴です。ツバメよりも少しだけ体が大きいです。町の中や周辺の農耕地、河川敷などにすみ、人間が造った建造物に巣を作ります。巣は、とっくり型をしています。
夏鳥として、北海道から九州にかけてやって来るツバメの仲間です。本来は岩場に巣を作るために「岩ツバメ」という名前があります。腰が白く、ツバメよりも一回り体が小さくて尾も短いのが特徴です。平地から山地にまで見られ、海岸や山地の岩場、町の中の建造物などに巣を作ります。巣はドーム型をしています。
1年中、奄美諸島や琉球諸島にすんでいるツバメの仲間です。体は全体的に黒っぽく、ツバメよりも少しだけ小さいです。町の中や農耕地、河川敷、海岸などにすみ、人間が造った建造物に集団で巣を作ることが多いです。巣は、おわん型です。少し赤っぽく見えることがあります。
夏鳥としておもに北海道にやって来るツバメの仲間です。体はツバメよりも小さく、 胸にT字形の帯があり、尾が浅い凹型なのが特徴です。水辺、農耕地、草原などにす み、川沿いなどの崖や土手に集団で巣を作ります。
おもに本州の関東地方より西から四国、九州にかけてすんでいるアマツバメの仲間です。のどと腰が白く、ツバメよりも一回り体が小さくて尾が凹型なのが特徴です。平野部の町の中や低山の開けた場所にすみ、人間が造った建造物に巣を作ります。巣は、イワツバメやコシアカツバメの巣を使いますが、入り口に羽毛をつける習性があります。
イラスト 大田黒摩利