ツバメの人工巣

ツバメのフン受けを付けられない場所や、食品売り場のように少しでもフンが落ちては困る場所にツバメが巣を作ってしまうこともあります。そうしたときに少し離れた場所にツバメの巣作りを誘導することができないかと考え、ツバメのフン受けのイラストを描いていただいている小川美奈子さんにツバメの人工巣を製作してもらいました。この人工巣は軽量なコルクを素材にしていて、万がいち落下した場合の安全性も高くなっています。小川さんのWebサイトでは人工巣の作り方が紹介されています。完成品の人工巣の販売はこちらのページをご覧下さい

ツバメは古巣にやって来ます

古巣は前の年にその場所でツバメが子育てしたことの目印です。壊れていない古巣があると、そこでは子育てが成功する場所だと思ってツバメがやって来るのです。だから、子育てが終わっても巣を壊さないで置いてあげて下さい。もし古巣がなくなってしまったら、人工巣を付けてあげると、ツバメは古巣があると思ってやって来ます。

人工巣でツバメの巣場所を誘導できます

ツバメのフン受けを付けられない場所や、食品売り場のように少しでもフンが落ちては困る場所にツバメが巣を作ってしまうこともあります。そうしたときに、人工巣を使って少し離れた場所にツバメの巣作りを誘導することができます。

ツバメが来ていない場所には呼び寄せられません

ツバメは巣作りに好みの場所がありますから、人工巣を付けると必ずやって来るわけではありません。ツバメが巣場所を探しに軒先にやってきているようなお宅では、人工巣を付けてあげると、そこで子育てをする可能性があります。

人工巣を使ったツバメの引っ越し作戦

ツバメの人工巣を開発したのは、ツバメが巣作りしてもらっては困る場所を塞ぎ、その替わり、すぐ近くに別の巣を提供するためでした。2014年に、埼玉県杉戸町の道の駅アグリパークゆめすぎとで人工巣を使ったツバメの引っ越し実験を行いました。

以前のトイレ入口の様子。巣は入口天井の内と外にあります。巣の下にフンを受ける段ボールを設置していましたが、フンが落ちたときに、運悪く人が通りかかるかもしれません。 

まずトイレ天井にネットを張り、ツバメがこの場所を利用できなくしました。5mmのテグス製のネットで、視認性が高く、さらにピンと張られているためツバメが絡まることはありません。2枚の段ボールは、古巣がツバメに見えないように置いてあります。ネットを張る前の時点で、すでに1つの古巣にツバメ夫婦が巣材を運んでいました。 

女子トイレ内に設置した人工巣。古巣に入れなくなったツバメ夫婦が人工巣を使っていることを、三日後に確認できました。 

トイレ外側の壁に設置した人工巣。左側のアルミ製窓枠に巣作りしようとしていたツバメが、人工巣を設置した翌日から利用し始めました。人工巣の上に、自分でさらに土を盛っています。