ツバメの国勢調査

(2024年4月から始まります)

ツバメの国勢調査の参加方法は2024年4月に公開します。

ツバメの数が減っています

 ツバメは身近にいる野鳥ですが、個体数が減少してきています。その理由のひとつは、ツバメが餌にしているハチ、ハエ、カゲロウ、小型のチョウなどの飛翔性昆虫が減少していることです。昆虫の発生量を測ることはできませんが、ツバメだけでなくイワツバメやコシアカツバメ、そしアマツバメの仲間も数が減っているため、共通の餌である飛翔性昆虫の減少が疑われています。全国鳥類繁殖分布調査で20年前と比べると、記録されたツバメの数が60%に減っていました。餌の虫が少ないために、営巣数だけでなく、ひとつの巣から巣立つヒナの数も減っているかもしれません。

鳥類繁殖分布調査で記録されたツバメの数。20年で6割に減りました。

ツバメが生きるために必要な自然環境を調べます

 飛翔性昆虫の数を減らしているのは、自然環境の変化や農薬の使用などです。ヒナを育てているツバメは巣から数百メートル以内で虫を捕っていますから、ヒナに十分な餌を与えるために4~8月の繁殖期に巣を中心とした半径数百メートルのなかに飛翔性昆虫が発生する場所が必要です。ツバメの国勢調査では、どのような自然環境や人工環境が近くにあるとツバメが多くのヒナを育てられるのかを調べます。そしてツバメが生きていくために必要な環境を明らかにして、ツバメがいつまでも暮らしていけるように社会に働きかけていきます。