バードリサーチ   ツバメ図鑑

ツバメの天敵

天敵が近づきにくいよう人家で子育てをするツバメですが、それでも巣を襲う生きものは少なくありません。

空の捕食者

カラス

ツバメの敵ナンバーワンはカラスでしょう。ツバメと同じ場所にいるのはハシブトガラス(写真)とハシボソガラスで、「巣がカラスに襲われた」という話はよく聞くのですが、どちらのカラスがツバメの巣をよく襲うのかは分かりません。こちらのページでカラス避けの作り方を紹介しています

オナガ

静岡県から宮城県にかけて生息している鳥です。体長は長いのですが、ほっそりしているので、カラス避けネットがあってもくぐり抜けて巣を襲うことができます。

モズ

全国に生息します。昆虫やカエルなどを主食にしていますが、小鳥を襲うこともあります。写真のようにモズはスズメの成鳥を狩ることもできるので、ツバメのヒナを連れ去ることも難しくないでしょう。猛禽類やカラス、オナガのように足で獲物を押さえてくちばしでちぎることができないので、小鳥のような大きな獲物は木の枝に突き刺してから食いちぎります(すぐ食べず放置された獲物は「はやにえ」と言います)。この方法で、大きくなったツバメのヒナも食べることができると考えられます。

イソヒヨドリ

昆虫やトカゲ、カエルなどを食べますが、ツバメの巣を襲っているところも目撃されています。全国の沿岸部に生息し、近畿、東海から関東では内陸でも見られます。モズと異なり餌を丸呑みするため、大きなヒナを捕らえるかは不明ですが、タマゴや小さなヒナは襲っていると思われます。(写真:三木敏史)

チョウゲンボウ

地上にいるネズミや昆虫を主食にしていますが、小鳥も捕りますし、ツバメの巣にいるヒナを襲うこともあるようです。このサイトに写真を提供してくださっている宮本さんは、チョウゲンボウが民家の軒先にあったツバメの巣にとまってから足でヒナをつかんで飛び去ったところを撮影されていますこのチョウゲンボウがとまった巣は、まったく壊れていませんでした。チョウゲンボウの体重は150~200gなので、しっかり壁に付いている巣は壊れないのかもしれません。近縁種のハヤブサは、ツバメの集団ねぐらで狩りをする姿を見かけます。(写真:宮本桂)

ツミ

全国に生息しますが、とくに関東地方に多い小型のタカです。小鳥を主食にしています。巣にいるツバメのヒナも、飛んでいるツバメも襲います。

フクロウ

全国に生息しています。夜に眠っているツバメを捕ることがあるようです。フクロウが巣にツバメを持ち帰った写真を、ツバメブログに載せてあります。(写真:三木敏史

陸の捕食者

アオダイショウ

小鳥の巣をよく襲うヘビです。垂直の壁でもザラザラしていればウロコを引っかけて登ります。ヘビが登りそうな場所にビニール袋を裂いて貼り付けておくと、すべって登れなくなります。屋根を伝ってくる場合は、ツバメの巣の周囲1mほどの範囲にもビニールを貼ればよいでしょう。アオダイショウは毒を持っておらず、人には無害なヘビです。

ネコ

ツバメの巣はネコが届かない高さにあります。しかし踏み台にできるものがあると飛びつきますから、巣の近くにネコが登れるものを置かないようにしましょう。