ツバメの渡り

春の渡り

ツバメは2月になると九州に飛来し、次第に北へ、そして標高の高い地域へとやって来ます。3月になると関東に到達し、北海道までやってくるのは4月になってからです。以上は一番早くやってくるツバメたちで、これより少し遅れて飛来のピークがあります。

ツバメ前線

バードリサーチが行っているツバメの初認調査で、飛来数がピークになった時期を図にしました(2006~2011年)。この調査ではその年はじめて軒先や街中など、ツバメが営巣する環境で見つかった日を調べています。河川などではそれより早い時期にツバメが観察されます。

ヨーロッパとアフリカの渡り

「毎年同じツバメが来るのか」の章で、ツバメの夫婦が翌年また日本に帰ってきたときは、別の相手と夫婦になることが多いという話をしました。ところが、ツバメ夫婦のきづなは、かなり強いのではないかと思わせる調査結果もあります。

スペインで繁殖しているツバメに小型の追跡装置を背負わせて調べたところ、二年続けて同じ巣で繁殖した夫婦のツバメは、渡りの日時・場所がほとんど一致したそうです。繁殖地から南へ出発した日が同日(2012/9/9)で、越冬地の西アフリカへの到着日は一日差(9/20-21)、西アフリカでは互いに近 い場所で暮らしていて、さらに春にスペインへ出発する日が同日(2013/5/28)で、スペイン到着日は一日差(4/10-11)でした。夫婦のツバメ1つがいと、夫婦でないツバメ2羽(こちらは異なる日に異なる越冬地へ渡りました)という4羽の記録しかないので、これがツバメの普通の行動なのかは分かりませんが、偶然と考えるには渡りの日が一致しすぎています。

この追跡装置は重さ0.6gのジオロケーターと呼ばれる照度計とメモリを組み合わせた装置で、数分間隔で照度を記録することで日の出と日没の時間が分かり、それを基に緯度経度を計算することができます。電波による通信はできないので、記録を読み出すには鳥をもういちど捕まえて装置を外す必要が あることから、ツバメのように、毎年同じ繁殖地に戻ってくる習性のある鳥の追跡調査に使われています。