ツバメの食べもの

ツバメは主に飛翔性昆虫(空を飛ぶ虫)を食物にしています。雛に餌を運ぶときは、ハエやハチくらいの大きな虫は1匹だけくちばしにくわえて持ってきますが、小さな虫はくちばしに何匹も加えていたり、口の奥に入れてノドを膨らませて持って帰ってきます。

小さな虫をたくさんくわえて帰ってきた親ツバメ

ツバメが運んでくる小さな虫は、巣のそばで撮影していても種類を識別することができません。そこで、千曲川の鼠橋という場所で親ツバメがヒナに運んでいる虫を調べた調査の報告書から、どんな虫を運んできているかを紹介しましょう。(河川生態学研究会 千曲川研究グループ. 2001. 千曲川の総合研究-鼠橋地区を中心として-. リバーフロント整備センター)

この調査は、羽毛がほぼ生えそろった育雛中期から後期のヒナの首にゆるく針金を巻き、呼吸はできるが餌は飲み込めない状態にする「頸輪法」という珍しい方法で、ヒナの口の中に溜まった虫を採取しています。

結果を見ると、この場所のツバメは、川から発生するカゲロウとトビケラを餌の大半にしていることが分かります。なお、報告書には調査した月が書いていないので、同じ場所でも時期による餌の違いはあるかもしれません。この報告書の「3.2.1(2) 水生昆虫の現存量とハビタット」によると、1997/3/6の調査で、水中にはカゲロウとトビケラの幼虫が多いので、ツバメは川に多い虫をヒナに運んでいるようです。

それでは、少し川から離れた雑木林近くにある場所では、どんな虫を食べているでしょう。(大串龍一. 1993 ツバメが採ってきた昆虫. 石川むしの会会誌とっくりばち60:2-8)

1989年春に石川県金沢市長柄町の民家で、ツバメが誤って巣の下に落とした虫を調べたところ、ハチ、ハエ、チョウの仲間が多かったそうです。さらに虫のサイズでは、体長4~15mmほどの個体が多かったということです。前述の頸輪法と異なり、巣の下に落ちた虫はヒナが食べにくかった虫に偏っている可能性はありますが、川のそばで子育てをしているツバメとは餌の種類が違っていることが分かります。